「うかがう」と同じ読み方をする「伺う」と「窺う」と「覗う」は、それぞれの言葉の意味がは異なります。「伺う」は複数の意味を持ち二重敬語など間違いやすい点があり、相手に誤解を与えないことに注意が必要な言葉でもあります。「伺う」と「窺う」と「覗う」の言葉の意味と違いを解説します。

「伺う」の意味・使い方

「伺う」は「聞く」「尋ねる・問う」「訪れる・訪問する」の謙譲語です。それぞれの「伺う」の使い方を例文から解説します。

1.「聞く」の謙譲語「伺う」の意味・使い方

自分が話を聞くときに、話をする人に向けて使います。

「聞く」の謙譲語「伺う」

  • 例文 1: お話を伺ってもよろしいでしょうか
  • 例文 2: 御社の〇〇様より伺っております
  • 例文 3: 恐れ入りますが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか

 

例文2「御社の〇〇様より」というように、取引先やお客さまから聞いていることを同じ会社の方や関係者にお伝えする場合は、謙譲語の「伺っている」というのは正しいです。しかし、間違いやすい例として、自社の課長から聞いているということを、自社以外の取引先やお客さまへ伝える場合は「弊社の課長より伺っております」というのは間違いです。課長にへりくだっていることを、取引先やお客さまへ伝える言い方になってしまっています。この場合は、身内などへりくだる必要がないので「弊社の課長より伺っております」ではなく「弊社の課長より聞いております」と、自社以外の取引先やお客さまへ伝えるのが正解です。

例文3の「お名前を伺ってもよろしいでしょうか」の間違った別の言い方として「お名前を頂いてよろしいでしょうか」や「お名前を頂戴してもよろしいでしょうか」があります。「頂戴する」「頂く」という言葉は、一般的に「もの」に対して使う言葉です。名刺や資料などは「もの」ですので「名刺を頂いてよろしいでしょうか」や「資料を頂戴してもよろしいでしょうか」といいますが、名前は「もの」ではないため「お名前を頂く」や「お名前を頂戴する」というのは間違いです。「あなたの名前をもらう」という意味になってしまいますので注意しましょう。名前を聞きたい場合は、例文3の「 お名前を伺ってもよろしいでしょうか」や「お名前を教えていただけますでしょうか」が正解です。

 

2.「尋ねる・問う」の謙譲語「伺う」の意味・使い方

分からないことや知らないことを、人に答えてもらうようにする場合に使います。

「尋ねる・問う」の謙譲語「伺う」

  • 例文 1: ひとつお伺いしてもよろしいでしょうか
  • 例文 2: 伺いたいことがあるのですが、○○を教えていただけますか
  • 例文 3: ○○について、詳しく伺ってもよろしいでしょうか

 

謙譲語は、自分の動作をへりくだる敬語表現です。自分以外の人の動作に「伺う」は使いませんが、丁寧に伝えようとして「窓口にて伺ってください」という表現がありますが間違いです。この場合は「窓口にてお尋ねください」が正解です。

 

3.「訪れる・訪問する」の謙譲語「伺う」の意味・使い方

相手先へ訪問するときや、こちらから先方に向かうことを申し出るときなどに使います。

「訪れる・訪問する」の謙譲語「伺う」

  • 例文 1: 明日、御社に伺います
  • 例文 2: 営業課の○○様と13時のお約束で伺いました、△△と申します
  • 例文 3: ご都合のよろしいときに、ご挨拶に伺いたく存じます

 

訪問の約束をするときに使う「お伺いしたいのですが」や「お伺いしてもよろしいでしょうか」などの「お伺い」は、二重敬語で間違った使い方です。
丁寧に伝えようとするあまり、敬語に敬語を重ね、二重敬語にしてしまうことがありますが、過剰な表現は相手に失礼な印象を与える可能性もあるため注意が必要です。「お伺いしたいのですが」は「伺いたいと思いますが」または「伺いたく存じますが」が正解です。「お伺いしてもよろしいでしょうか」は「伺ってもよろしいでしょうか」または、くだけた言い方になるため相手との関係性によりますが「お邪魔してもよろしいでしょうか」が正解です。

「お伺いします / お伺いいたします / お伺いさせていただきます / 伺わせていただきます」も二重敬語です。間違ってはいるものの、より敬意を込めた言葉として使用する人が多く、ビジネスの中でよく使われることもあり、習慣として定着し一般的に使われています。2007年に文化庁より「敬語の指針」にて、習慣として定着している二重敬語の例に「お伺いする / お伺いいたす / お伺い申し上げる」が発表されました。

● 文化庁|報告・答申・建議等|「敬語の指針(答申)」(平成19年2月2日)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/

しかし、ビジネスマナーに詳しい人や年配の方の中には快く思わず、心証を悪くする可能性がないとは言い切れません。「お伺い」の方が丁寧という考えや、一般的に使われているため使用しても問題ないとされていますが、誤解を招く恐れがある「二重敬語」は、できるだけ使わないように注意しましょう。

「窺う」の意味・使い方

「 伺う(うかがう)」と同じ読み方をする「 窺う(うかがう)」の使い方を、例文から解説します。

「伺う」と同語源で、目上の人の様子を「窺(うかが)いみる」意から、その動作の相手を敬う謙譲語「うかが(伺)う」となったそうですが、現在の使われ方には違いがあります。「伺う」は「聞く / 尋ねる・問う / 訪れる・訪問する」の謙譲語ですが「窺う」は動詞です。

「窺う」の意味は「すきまなどから、ひそかにのぞいて見る」や「ひそかにようすを探り調べる」あるいは「一部分から全体を推し量って知る。それとなくようす、状況を察する」といった意味や「ようすを見て、好機の訪れるのを待ち受ける」や「一応心得ておく」の意味があります。

「窺」は常用外漢字ですので公用文では漢字表記ではなく、平仮名で「うかがう」と表記します。

  • 例文 1: 鍵穴から中をうかがう
  • 例文 2: 顔色をうかがう
  • 例文 3: 意気込みのほどがうかがわれる

 

「窺う」と「覗う」の違い

「窺う(うかがう)」の意味と似た意味で、同じ読み方をする「覗う(うかがう)」という言葉があります。

  • 窺う: 「そっと(気づかれないように)様子を見る」という意味
  • 覗う: 「何かを通してのぞいて様子を見る」という意味

 

ほぼ同じ意味で使われていますが「覗う(うかがう)」は実際に使われることが少なく、辞書に掲載されてないこともあります。「うかがう」の予測変換候補は、パソコンは「覗う(うかがう)」と出ますが、スマートフォンでは「覗う(うかがう)」は出ません。

「覗」は「覗き穴(のぞきあな)」のように「のぞく」と読む場合に用いられる傾向があります。
「のぞく」の予測変換候補は、パソコンでもスマートフォンでも「覗く(のぞく)」は出ます。

「覗」は「のぞく」という読み方で使われることの方が多いです。「覗」も常用外漢字ですので公用文では漢字表記ではなく、平仮名で「のぞく」と表記します。

 

「伺う」と「うかがう(窺う・覗う)」には複数の意味があるので、どのような意味で使っているのかを理解し、正しく使うようにしましょう。

とくに文章を書く時は、言葉の意味など改めてしっかりと理解し、文脈に応じた適切な使い分けが必要です。二重敬語にならないようにすることも意識しなければなりません。間違った敬語表現はビジネスシーンでは失礼にあたる場合もあるので注意しましょう。

 

給与明細の電子化とは

給与明細の電子化とは、給与計算を行ってまとめたデータを電子ファイルとして扱うことをいいます。従来は紙で従業員に渡していた給与明細を、最近は電子化を進める企業が増えてきています。給与明細のWeb化によって、電子メールやPDF、クラウドなどの電子データに変換して従業員に交付し、従業員は自分のPCやスマートフォンから給与明細を確認できるようになります。

2006年に行われた税法改正により、2007年1月1日以降、給与の支払明細書や源泉徴収票の電子交付が可能になりました。
一定の要件の下で書面でなく「電磁的方法」により交付することができるようになっています。

法律で認められている「電磁的方法」には以下3つの方法で交付するように定められています。

  • 1. 電子メールで交付する
  • 2. Web上で閲覧できるようにする
  • 3. フロッピーディスク、MO、CD−ROM等の磁気媒体等に記録して交付する

 

会社にとってのメリット・デメリット

会社にとってのメリット・デメリットについて解説します。

〈 会社にとってのメリット 〉

● メリット 1: コスト削減につながる
ペーパーレスになり、紙や印刷代、郵送代などが不要になり、給与明細の交付にかかる費用を大幅に削減できます。印刷した明細書の封入や切手貼り、投函作業などの作業も簡略化・短縮できることで、その業務に費やしていた人件費も結果として削減できます。
電子化することで、紛失・過去分の再発行や過去の検索の手間の軽減など管理者の負担を減らすことにつながり、管理・費用の削減も実現できます。さらに、書類の保管場所も不要となるため、オフィスのスペースを有効に活用できます。

● メリット 2: 作業精度・業務効率を向上できる
人の手でデータを管理や作業をしていると、気をつけていても配布ミスや給与データの転記ミスなどが発生してしまう場合もあります。
給与明細の電子化を行えば、計算ミスや入力ミス、封入ミスや配送ミスといった人為的なミスを削減でき、システムによる自動計算が行われるため、精度の高い給与明細を作成できます。
正社員とアルバイトなど給与支給日の異なる従業員が混在する場合にも、最小限の手間で交付できるので業務負担も軽減されます。
電子化された給与明細は、メールや専用システムを用いてスピーディに交付できるので、手渡しの手間がなくなるほか、従業員に交付されるまでの時間も大幅に短縮されます。

● メリット 3: 紛失リスクの軽減
紙で発行すると、受け取った後に本人が紛失させてしまう可能性がありますが、電子化すると電子データで確認することになるため、紛失のリスクはなくなるでしょう。電子化されていれば、長期保管する際に起こり得るデータの改ざんや紛失と言ったリスクも軽減できるでしょう。

 

〈 会社にとってのデメリット 〉

✖ デメリット 1: システム導入に伴うコスト
給与明細の電子化を導入するにあたって、相応のコストや手間がかかる点に気をつけなければなりません。
初期費用に加えて、システム利用料などの月額利用料が発生したり、従業員が増えればその分規模の大きさに相応しいシステムを選ぶ必要もあります。
データの管理方法やシステムの運用方法なども含め、従業員教育コストも必要となりますので、導入によってかかるコストもあらかじめ確認しておきましょう。

✖ デメリット 2: 情報漏洩・データ改ざんのリスク
紙の給与明細でも紛失や元のデータが流出するといった情報漏洩リスクはありますが、給与明細の電子化でデータで管理する以上、新たに脅威となるリスクにも備えなければいけません。給与明細は従業員の大切な個人情報です。基本的な情報セキュリティ対策に労務担当者が理解を深め、情報漏洩やデータ改ざんなどが起こらないよう十分な配慮が必要になります。 さらに、給与明細作成で利用する端末のセキュリティ対策や、利用するシステムやクラウドサービスが十分な情報セキュリティ対策を施しているかなども確認し、ウイルスや不正侵入への対策の他、社内の管理ルールもしっかりと定めておく必要があります。

 

従業員にとってのメリット・デメリット

従業員にとってのメリット・デメリットについて解説します。

〈 従業員にとってのメリット 〉

● メリット 1: 時間・場所を選ばず確認できる
紙の給与明細は、実物がなければ見ることができませんが、電子化された給与明細であれば、インターネット上でいつでもどこからでも確認できます。またクラウド上で管理しておけば、ファイルを確認できるインターネット環境さえ整えられれば、パソコンやスマートフォン、タブレットなどさまざまな端末から、自分の好きなタイミングで閲覧することができます。

● メリット 2: 紛失の防止・管理の負担軽減
紙の給与明細の場合、長く働いていればそれだけ書類は溜まっていき、紛失や棄損のリスクがあります。毎月溜まっていくため、該当の明細書を探して確認するためには手間と時間がかかってしまったり、収納や管理の手間が発生する保管場所の問題もあります。
電子化された給与明細であれば、データとして管理できますので紛失の心配や、保管の場所や管理に気を配る必要がありません。

 

〈 従業員にとってのデメリット 〉

✖ デメリット 1: 確認できない場合がある
パソコンやスマートフォン、タブレットなどデバイス(端末機器)を持っていないと、電子化された給与明細を確認することができません。
持っていない場合は、会社のPCで閲覧するか、紙に印刷することになり、かえって手間がかかります。また、過去のすべての給与明細が永年保存され続けるとは限りません。保存期間が設けられている場合は、PDFファイルなどのデータをこまめに保存しておく必要があります。

✖ デメリット 2: 紙の給与明細が必要なとき申請が必要
住宅や車の購入の際に収入証明書類として給与明細の提示を求められることがあります。そのような場合は、会社(担当者)に依頼する手間が発生します。

 

給与明細を電子化する注意点

■ 従業員から同意を得る

電子交付の条件として、従業員からの同意取得が必要です。所得税法231条において、「従業員の承諾を得れば電子化されたデータにより提供できる」と定められているため、従業員に対して電子化による目的やメリット、セキュリティに関する注意点などを説明をおこない、必ず従業員の承諾を得ることが必要となります。承諾に関しては、所得税法で「電磁的方法又は書面で承諾を得ること」とあります。従業員が同意したことを証明できる同意書を作成する必要がありますので、注意しましょう。

■ 既存の給与計算システムとの相性

給与明細を電子化するなら、専用のシステムを導入し、既存の給与計算システムから給与データを取り込む必要があります。連携が可能なシステムであれば、導入によってさらに業務効率の向上が期待できますが、システムが連携できない場合、あまり業務の効率化が実現できない可能性があります。無料トライアルや無料体験版、無料プランなどを利用して、事前に相性を確認しておくと安心でしょう。



紙の給与明細は、保管に手間がかかるだけでなく紛失のリスクもあるため、企業・従業員双方にとってデメリットになります。給与明細の電子化に成功すれば、コスト面、管理面でも大きなメリットがあるだけでなく、従業員の利便性も向上するでしょう。管理する側と、受け取る側の両方を考えて、どのようなシステム導入が良いか検討し、職場の業務改善を進めてみてはいかがでしょうか。

給与明細を電子化についてのご相談やご質問・お問い合わせは、ぜひ福島リコピーへお気軽にご連絡くださいますようお願いいたします。

 

2024年1月より「電子取引データ保存」が義務付けられます

電子帳簿保存法は2021年度に改正が行われ、2023年12月31日までは、電子的に取引した請求書や領収書をプリントアウトして、税務調査等の際に提示または提出ができるようにしていれば問題ないと、電子取引のデータ保存の義務化についての宥恕(ゆうじょ)期間が設けられていました。

2年間の宥恕(ゆうじょ)期間を経て、2024年1月1日から「電子取引データ保存」に対応し、紙で保存することが出来なくなります。会社の規模に関係なく個人事業主も含めて、すべての事業者がこの制度改正の対象になります。法令を遵守しこの制度改正に対応しなければなりません。

電子帳簿保存法にもとづく「データ保存」とは、以下の3種類です。

  • 電子帳簿等保存
  • スキャナ保存
  • 電子取引データ保存

 

データ保存3種類のうち「1. 電子帳簿等保存」と「2. スキャナ保存」は任意ですが、改正により「3. 電子取引データ保存」が義務付けられました。

取引先とデータでやりとりした書類をプリントアウトして保存している場合は、2024年1月1日から紙で保存することが出来なくなり「電子取引データ保存」に対応していくために、すみやかにデータ保存に移行しなければなりません。

 

どのように電子化するの?

1. 電子帳簿等保存( 任意 )
会計ソフト等パソコンを使用して、電子で作成した帳簿や書類を、印刷せずに電子データのまま保存する。
2022年1月1日以降は、税務署への事前の手続きが不要になりました。

2. スキャナ保存( 任意 )
紙で取引したものを、スキャナで読み取り、画像データ化して保存する。
電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件を満たして電子保存をすれば、スキャンした紙の取引関係書類を、保存しておく義務がなくなりました。

3. 電子取引データ保存( 2024年1月1日から義務化 )
メールやインターネットを介してやり取りした電子取引情報を、データとして保存する。
データを印刷して保存することは、不可となる。

 

スキャナ保存すべき電子データとは?

国税庁パンフレット「電子取引データの保存方法をご確認ください」より、保存すべき電子データは以下の通りです。

質問: どのようなデータの保存が必要なの?保存すべき電子データは︖

回答:
〈 令和6年1⽉以降⽤より 〉
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0023006-081_03.pdf
• 紙でやりとりしていた場合に保存が必要な書類(注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書など)に相当するデータを保存する必要があります。
• あくまでデータでやりとりしたものが対象であり、紙でやりとりしたものをデータ化しなければならない訳ではありません。
• 受け取った場合だけでなく、送った場合にも保存する必要があります。

〈 令和4年1⽉以降⽤より 〉
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0021011-068.pdf
紙でやりとりしていた場合に保存が必要な情報が含まれる電子データ
例)請求書、領収書、契約書、⾒積書など
※ 受け取った場合だけでなく、送った場合についても保存が必要です。
※ 例えば、電子メールの本⽂・添付ファイルで請求書に相当する情報をやりとりした場合や、WEB上でおこなった備品等の購⼊に関する領収書に相当する情報がサイト上でのみ表示される場合には、それぞれの電子データを保存する必要があります(PDF やスクリーンショットによる保存も可)。

 

スキャナ保存のポイント

スキャナ保存は、重要書類と一般書類に区分され、それぞれ要件が異なります。

  • 重要書類
    契約書や納品書、請求書、領収書など、資金やものの流れに直結・連動する書類
  • 一般書類
    それ以外の見積書、注文書、検収書など、資金の流れに直接関係しないもの

 

具体的な要件には、入力期間の制限、一定水準以上の解像度による保存、タイムスタンプの付与、検索機能の確保などが該当します。
特に重要書類については厳しい要件が設けられています。

要件の一例

〈 入力期間の制限 〉
● 重要書類 受領してからおおむね7営業日以内に入力。もしくは業務サイクル(最長2ヶ月以内)を経過後、おおむね7日以内に入力
● 一般書類 適時入力で特に期限は設けられていません

〈 一定水準以上の解像度による保存 〉
● 重要書類 解像度が200dpi相当であり、256階調以上(24ビットカラー)であること
● 一般書類 解像度は重要書類と同じですが、カラーはグレースケールでも問題ありません

「入力期間の制限」と同様に「タイムスタンプの付与」も、原則的に書類を受領又は発行したら、最大2か月とおおむね7営業日の間に記載事項の入力と、タイムスタンプの付与を行わなくてはなりません。

 

国税庁パンフレット「電子取引データの保存方法をご確認ください」より、保存方法は以下の通りです。

質問: どのように保存する必要があるの?

回答:
〈 令和6年1⽉以降⽤より 〉
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0023006-081_03.pdf
• 改ざん防止のための措置をとる必要があります。
• 「日付・金額・取引先」で検索できる必要があります。
• ディスプレイやプリンタ等を備え付ける必要があります。
※ 保存するファイル形式は問いませんのでPDFに変換したものや、スクリーンショットでも問題ありません。

〈 令和4年1⽉以降⽤より 〉
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0021011-068.pdf
• 改ざん防止のための措置をとる
「タイムスタンプ付与」や「履歴が残るシステムでの授受・保存」といった方法以外にも「改ざん防⽌のための事務処理規程を定めて守る」でも構いません。
• 「⽇付・⾦額・取引先」で検索できるようにする
専⽤システムを導⼊していなくても、1.索引簿を作成する方法や、2.規則的なファイル名を設定する方法でも対応が可能です
※ 2年(期)前の売上が1,000万円以下であって、税務調査の際にデータのダウンロードの求め(税務職員への提示等)に対応できる場合には、検索機能の確保は不要です。
• ディスプレイ・プリンタ等を備え付ける

 

これまでは要件が厳しくスキャナ保存の導入に踏みとどまっていた企業も多いと思いますが、2022年1月の電子帳簿保存法改正によりさまざまな要件が緩和・廃止され、スキャナ保存を導入するハードルが下がっています。スキャナ保存を導入することでコストの削減・効率化の向上などメリットがありますが、場合によっては、これまでよりも非効率になってしまう場合もあります。 スキャナ保存の対象になる書類の電子化は必須ではありませんので、業務フローに組み込んでも問題ないか、タイムスタンプ機能などスキャナ保存に対応したシステムの導入を進めてもよいか、十分に導入を検討が必要になります。

なお、帳簿書類のデータによる保存は、一部分でもデータで保存することも認められています。スキャナ保存を実行する際は、一度に全ての帳簿書類を電子化するのではなく、データで保存する対象範囲を限定し段階的に電子化の検討を行うこともできます。まずは一部の書類から段階的に電子化を進めたほうが負担も少なく実行しやすいと思います。

今後、あらゆる分野でデジタル化・電子化がすすんで進んでいくことは避けられません。 スキャナ保存についてのご相談やご質問・お問い合わせは、ぜひ福島リコピーへお気軽にご連絡くださいますようお願いいたします。

 

ビジネスでも、プライベートでもよく使われる「ありがとうございます」というお礼の言葉。
丁寧な言い回しとして使われていますが、敬語として正しいのか、もっと丁寧な言い換えはあるのか。また「ありがとうございました」と「ありがとうございます」はどんな違いがあるのでしょうか。

「ありがとうございます」について、敬語として正しいかを説明するとともに、言葉の意味や使い分け、注意点や言い換え表現などをご紹介します。

 

「ありがとうございます」の意味・語源

「ありがとうございます」は、感謝の気持ちを表す言葉「ありがとう」を丁寧にした敬語表現です。

感謝するという意味の形容詞「ありがたい」と、補助動詞「ある」の丁寧語「ございます」から成り立つ表現です。「ありがたい」の語源は、仏教の「有り難し」に由来があるとされております。

人からの好意に対して有ることが稀である、滅多に無いことを感謝する言葉として「有り難し」「有り難い」と使われるようになったといわれており、めったにないことに感謝を表すときに使われるようになりました。

「ありがとう」は敬語ではありませんが、丁寧語の「ございます」がつくことで正しい敬語となります。目上の人や取引先など、ビジネスシーンで使って問題のない丁寧語の言葉です。目上の人や取引先に感謝を伝える言葉として、口語でも書き言葉でも使われます。

 

「ありがとうございます」のより丁寧な表現

「ありがとうございます」は、目上の人や取引先などビジネスシーンで使って問題のない丁寧語ですが 「ありがとうございます」と言うだけでは、場合によって、敬意が足りないと感じる相手もいらっしゃるかもしれません。

より丁寧に表現したい、より感謝の気持ちを込めたいという場合は「ありがとうございます」の頭に「本当に」「誠に」をつけます。

● より丁寧な「ありがとうございます」の表現

ありがとうございます

本当に ありがとうございます

誠に ありがとうございます

 

そのほかに「大変ありがとうございます」という表現があります。この「大変」は、程度がはなはだしいさまを意味する程度副詞です。「大変ありがとうございます」と「大変」をつけることで、感謝の気持ちを強調していますので、敬語として間違いではありません。しかし、大変という言葉には「苦労などが並々でないこと」という意味もあり、こちらの意味からネガティブなイメージとして違和感を与える可能性があります。

違和感なく感謝の気持ちを受け取ってもらえるように「誠に」「本当に」を使う方がよいと思います。ただし「本当にありがとうございます」は、ややカジュアルな表現になるため、目上の人や取引先などには「誠にありがとうございます」が最適です。

 

「ありがとうございます」の言い換え表現は?

「ありがとうございます」は使い勝手がよく、何度も使いたくなる表現ですが、連続で「ありがとうございます」と言い続けていると、だんだんと感謝の気持ちが軽い印象になりかねません。

感謝の気持ちを表す言い換えの言葉はたくさんありますので、使用に見合ったシチュエーションで使い分けることをおすすめします。

●「ありがとうございます」の言い換え表現

感謝申し上げます / 感謝いたしております

深謝申し上げます / 感謝の念に堪えません

感謝の気持ちでいっぱいです / お礼の言葉もございません

心より御礼申し上げます / 衷心より御礼申し上げます

恐れ入ります / 痛み入ります

恐縮に存じます / ありがたく存じます

 

相手との関係性で口語ではかしこまり過ぎた印象になってしまうこともありますので、状況に応じて使い分けることや、メールなどの書き言葉で使い分けをされることをおすすめします。

 

「ありがとうございました」はNG!? 間違い敬語?

過去の出来事に対して、後日「先日は打ち合わせのお時間をいただき、ありがとうございました」など「ありがとうございました」を使うケースがあります。過去の出来事に対して「ありがとうございます」を「ありがとうございました」とした表現で、間違いではありませんが、間違い敬語だという考え方もありますので注意が必要です。

間違い敬語といわれる理由は、以下のとおりです。

  1. 過去の出来事のみに限定された印象のため失礼になる、という考え方
  2. 語尾の「ございました」は完了・終了を意味するため、今後も継続的に取引や関係性を続けたい相手に対して使うには適切ではない、という考え方
  3. 「ありがとうございます」の言い換えの言葉が過去形で使われないため「ありがとうございます」のみ過去形にすることに違和感がある、という考え方。「先日は打ち合わせのお時間をいただき、感謝申し上げます」と言う場合「感謝申し上げます」を「感謝申し上げました」と過去形にしていません。

「ありがとうございました」は間違い敬語ではありませんが、このような考え方もあることを踏まえ、お礼や感謝は過去・現在関係なく「ありがとうございました」に統一するのが適切という考え方があります。

ケースバイケースで使い分けされてよいと思いますが、メールやお礼状などの書き言葉は「ありがとうございます」にされることをおすすめします。

 

「有難う御座います / ありがとうございます」どちらが正しい?

「ありがとうございます」は、漢字で「有難う御座います」と表記する人もいます。表記が平仮名か漢字か、どちらが正しいのでしょうか。

表記のルールはなく漢字で表記しても、平仮名で表記しても、どちらも間違いではありませんが、どちらかというと、現代では「ありがとうございます」と平仮名表記が一般的です。漢字表記の「有難う御座います」の文字からイメージされる印象は、読みにくく堅苦しい、違和感があるなど好まれない傾向があります。

感謝を伝える相手にそのような印象を与えてまで漢字表記にするのは本末転倒です。平仮名表記で「ありがとうございます」とした方が読みやすく、感謝の気持ちも伝わりやすいと思います。

「ありがとうございます」は、正しい敬語です。目上の人や取引先に感謝を伝えるための言葉として適切です。
「ありがとうございます」には、言い換え表現が多くあります。同じ感謝の気持ちを伝える場面でも相手との関係性で使う表現は異なるため、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。
ぜひ、相手やシーンに合わせた表現を使いこなし、心を込めた感謝の気持ちを届けてください。

書類を紙で管理していると、保管スペースが取られてしまったり、過去の書類を探すことが負担となります。書類の電子化(ペーパーレス化)は、業務効率を改善する方法として多くの企業から注目されていますが、書類の電子化は業務の短縮化・効率化を可能にするメリットが多いもののデメリットもあり、なかなか進められず検討中の企業も多いと思います。
書類の電子化による、メリットやデメリットを説明するとともに、注意点など導入前に把握しておくべきポイントを解説します。

 

書類の電子化による 5つのメリット

書類を紙ベースから電子化することにより、次のようなメリットがあります。

メリット 1: 印刷・保管のコスト削減
メリット 2: 書類の検索を効率化
メリット 3: 書類紛失の回避
メリット 4: 経年劣化の防止
メリット 5: 環境への配慮・貢献

どのようなメリットなのか、具体的にご説明します。

 

メリット 1: 印刷・保管のコスト削減

メリット 2: 書類の検索を効率化

書類を探すのが簡単になるということは、業務の効率化という点で大きなメリットです。過去の資料から調べものをする必要がある場合に、保管場所から目的の書類を見つけ出し、必要な情報を探し出すということは、手間と時間がかかる非常に大変な作業です。年度・月別、部門別など細かくファイリングしていても、必要な情報にたどり着くまでには時間がかかります。書類を紙で管理することをやめて、書類を電子化することで、キーワードや条件などで検索できるので、欲しい書類・資料がすぐに見つかります。書類を探す時間が大幅に削減でき、スムーズに作業ができるようになります。さらに、タブレットやノートパソコンなどのデバイスからいつでもどこでも情報にアクセスができて情報を取り出せるので、業務の効率化に大きなメリットとなります。

メリット 3: 書類紛失の回避

書類を紙で管理していると、紛失リスクがつきまといます。置き忘れや誤廃棄、担当者が変わってどこに保管したかわからなくなったり、管理ルールを明確に決めてなく他の書類の中に紛れて紛失してしまうといったこともあり、社外で大事な書類を紛失すれば、それは大きなセキュリティ事故となります。万が一紛失したことで情報漏洩してしまった場合、会社に対して多大な損失を出してしまうことにもつながります。書類を紙で管理することをやめて、書類を電子化することで、紛失する可能性を最小限にとどめられます。電子化した場合も、情報漏洩のリスクはあるものの、パスワードを設定して閲覧者を制限したり、バックアップを取って万一の紛失リスクに備えることが可能です。

メリット 4: 経年劣化の防止

紙の書類の場合、経年劣化による黄ばみや褪色を避けられません。保管状態が良くない場合は、後に文字が読み取りにくくなったり、ページが破れて必要な部分が読めなくなったりすることも考えられます。紙媒体とは異なり、データ化された書類は劣化したり読めなくなってしまったりするリスクがありません。書類を紙で管理することをやめて、書類を電子化することで、長期保管しても経年劣化を心配する必要はありません。

メリット 5: 環境への配慮・貢献

書類の紙は、もともと木材からできているため、大量に使用することは森林破壊につながる恐れがあります。紙で管理することをやめて、書類を電子化し、紙の使用を減らせば森林の伐採量が抑えられるため、地球上の貴重な資源が守られます。紙書類の廃棄が減り、SDGsにおける目標の一つでもある自然環境の保全に貢献することが可能です。持続可能な社会への取り組みにもつながり、環境に配慮している、環境に優しい取り組みをしている企業としてイメージが向上し、企業のブランド力や持続可能な成長にも期待できるメリットがあります。

 

書類の電子化による 5つのデメリット

書類を電子化する上で、デメリットや注意点についても把握しておくことが大切です。

デメリット 1: 時間と労力がかかる
デメリット 2: 業務のやり方が変わってしまう・業務改革が必要となる
デメリット 3: 紙に比べて見づらくなる場合がある
デメリット 4: 紙での保管が必要な書類がある
デメリット 5: システム障害などでデータが閲覧できなくなるケースもある

どのようなデメリットや注意点なのか、具体的にご説明します。

 

デメリット 1: 時間と労力がかかる

書類の量にもよりますが、書類の電子化を完了するまでに時間がかかる場合があります。業務に支障をきたさないよう、書類の電子化を進められる無理のない計画を立てるのがおすすめです。そのほかに電子化を推進するシステムやツールを導入したり、ネット環境を整え直したりしなければなりません。システム・ツールの種類や会社の規模などによって、違いはありますが大きな手間とコストがかかることにないます。書類の電子化することで、データに対するセキュリティ対策も必要になります。セキュリティ対策のためのソフトを取り入れたり、データ取扱いのルールも策定しなくてはいけません。書類を電子化することは準備から実施・管理まで多岐にわたる業務が発生するため、時間と労力がかかります。

デメリット 2: 業務のやり方が変わってしまう・業務改革が必要となる

書類を電子化すると、これまでとは業務手順が変わります。ファイル名のルールを決めるなど準備をしないと電子化したファイルを端末上で整理することが大変になる場合があります。担当者の業務量の増加や、慣れない作業で非効率になることがあるなど、これまでとは違う新しい方法に慣れる必要があります。書類を電子化する方がかえって手間がかかるという意見も出るなど、現場の反発が起こる可能性も考えられます。社内に混乱を招く恐れもあるため、書類の電子化の理由や必要性を周知徹底したり、新しい業務に関する研修を行ったり、書類の電子化に関する通達・共有を徹底することが大切です。

デメリット 3: 紙に比べて見づらくなる場合がある

書類を閲覧するとき、パソコンやタブレットの画面は小さいので、多くの情報を得るためには画面をスクロールしなくてはならず、使いづらくなることがあります。書類の全体を一目でつかみたい、一覧性を重視したい人にはやりにくい場合があります。端末の画面での閲覧は、頭に入りにくい人もいるかもしれません。必要に応じて一時的に印刷してよいルールにするなど、柔軟な運営も検討する必要があります。

デメリット 4: 紙の保管が必要な書類がある

契約上・法律上の理由で、紙のまま保管する必要がある書類もあります。
この場合は書類を電子化しても、紙の書類を管理しなければならないこともあります。
すべての書類を電子化できないこともありますので、あらかじめ注意が必要です。

デメリット 5: システム障害などでデータが閲覧できなくなるケースもある

システムのサーバーやクラウドサーバー上にシステム障害などが起こったり、インターネットの接続が不安定になったりすると、文書にアクセスできなくなる可能性があります。パソコンやタブレット機器の故障など、ハード面の理由により閲覧不可になるケースもあります。必要なときに必要な情報にアクセスできなくなるのは、大きなデメリットです。このような事態になった場合の対策・対処についてあらかじめ確認しておく必要があります。

 

書類の電子化を実施する方法

書類の電子化を実施する方法は、自社で行うのか、代行サービスに依頼するのか、システムを導入するのかなど、電子化による費用対効果や業務負荷などを比較しながら、自社にあった方法を選ぶことが重要です。

文書電子化システムの導入する場合、オフィスで使用している複合機やスキャン機能のあるプリンター、スキャナーなどで、社員がスキャンし書類を電子化していきます。使い慣れた機器でスキャンを行い自社のペースで文書電子化をすすめられ、自社にあったデータ形式や保存ができるので安心・確実です。ただし、膨大な量の紙がある場合は電子化に時間を要しますので、計画的に長期間じっくりと取り組むことになります。

膨大な量の書類を自社で電子化する場合、外部企業に委託する方法もあります。すべての書類を委託する以外に一部の過去の文書のみを委託する方法や、ホチキス止めの書類 / 自社のスキャナーでは対応できないサイズの書類 / 分厚い本や折りたたまれた書類などスキャンしにくい状態の書類を委託する方法もあり、費用はかかりますが、自社の社員の手間をかけずに、短期間で電子化が完了することが可能です。スキャン作業の電子化だけでなく、スキャン前の文書整理や選別、スキャン作業や入力作業、データ整理、紙書類やデータの管理まで、文書電子化にかかわるさまざまな作業を対応をしてくれる外部企業もありますので、スムーズに業務効率化を進めることも可能です。

書類やデータを外部に委託するためセキュリティ面も考慮し、自社に合う電子化の方法を検討しましょう。

 

企業が取り組むべき課題のひとつ「電子化」は、重要性・優先順位が高まりつつあります。政府もペーパーレス化を推奨しており、社会全体としてペーパーレス化の方向にあります。福島リコピーでは、定型業務の電子化、給与明細の電子化、源泉徴収票の電子化など、長年培った技術とノウハウでお客さまの課題やニーズにあった最適なソリューションをご提案しています。弊社営業担当へお問い合わせいただけましたら幸いです。お気軽にお問い合わせくださいますようお願いいたします。

『インボイスも電帳法も対応は万全!』…本当ですか?

 

2023年10月 インボイス制度 開始

2023年12月末 改正電子帳簿保存法 宥恕期間終了

 

『なんとなく概要は知ってる』 ではもう間に合わない時期に差し掛かりました。

カウントダウンが差し迫っている今、弊社ではこの2大改正への対応を万全にするため、個別相談会を開催致します。


『適格請求事業者番号取得してあるから大丈夫でしょ?』

『メールで来たものはPCに保存しておけばいいんでしょ?』

その認識だけでは 法律違反 となる可能性が…!この機会に個別相談会に参加いただき、不足が無いか、ご確認ください。

また、『法改正に対応するなら、この機会に業務の見直しをしたい』というお客様のご来場もお待ちしております>

 

【法改正対応個別相談会 in 会津 】イベント情報

 

≪開 催 日 程≫       2023年 9月 5日 (火)   10:00 ~ 17:00

≪会       場≫      福島リコピー株式会社  会津支店

≪コンテンツ≫  法改正対応個別相談会(事前予約制)

≪詳         細≫  こちらをクリック し詳細確認 および お申込み願います

 

アクセス

「すみません」と「すいません」どちらを使っていますか。「すみません」も「すいません」も同じ意味で使われていますが、どんな違いがあるのでしょうか。日常的によく使われている「すみません」と「すいません」について、言葉の意味や使い分け、注意点や言い換え表現などを解説します。

「すみません」と「すいません」どちらが正しい言葉?

正しい言葉は「すみません」です。

「すいません」は、言いやすいように崩れていった言葉です。
「すみません」の「み(mi)」の「m」音を落とし「su (m)i ma se n」となったくだけた言葉です。

一部の辞書では「すみませんの俗な言い方」と記されており抵抗感があるという方もいます。「すみません」と同じ意味で「すいません」は使われていますが、ビジネスシーンではふさわしくないため「すいません」は使わないようにしましょう。

「すみません」の意味・語源

「すみません」は、漢字で「済みません」と書きます。
動詞の「済む」の連用形に、丁寧の助動詞「ます」の未然形と、打ち消しの助動詞「ん」が付いた言葉で「済まない」の丁寧語です。

「済」は「済=終わり」という意味があり「済みません」は「終わりではありません」という意味になります。そのため「この場で終われない、この後つぐないたい」という場合に用いる言葉です。さらに「済む」には「他人に対して言い訳が立つ」という意味があり、打消し・反語の意を表す語を伴って「済まない」になると「他人に対して言い訳が立たない」「気持ちがおさまらない」という意味になります。

「すみません」は他人に謝罪する意味のほかに、相手から何かをしていただいたときに「ありがとう」と感謝する意味で「すみません」と言ったり、相手に何か依頼するときに「すみません」と話し始めたりするときにも使います。さらに、店員さんを呼ぶときや話しかけるときなどにも「すみません」と言ったりします。「すみません」には「感謝・依頼・呼びかけ」の意味合いも持ち、さまざまなシチュエーションで使われています。

「すみません」を使う際の注意点

「すみません」は使い方に気を付けるポイントがあります。

1. ビジネスメールでは使用しない

「すみません」は丁寧語ですが、口語・話し言葉でもあるため、メールなど文字にする際に使うことは間違いです。 ビジネスメールにふさわしい「謝罪・感謝・依頼・呼びかけ」の言葉を使うようにしましょう。

2. 目上の方・ビジネスシーンには使わない

「すみません」は使い勝手のよい言葉ですが、相手によっては使用することが失礼にあたる場合もあります。 とくに目上の方やビジネスシーンで使わない方がよいです。謝罪の場合「すみません」より適切な言葉があるため「すみません」を使うことで真剣さや誠意が伝わらないと受け取られる可能性もあります。また「感謝・依頼・呼びかけ」の意味合いでも「すみません」よりも適切な言葉があるため、相手やその時の状況によって言い換え表現を活用し、言葉は慎重に選ぶ必要があります。

「すみません」の言い換え表現

1. 謝る場合の「すみません」の言い換え表現

申し訳ありません・申し訳ございません / お詫び申し上げます / 失礼いたしました、など
【例】遅くなってすみません → 遅くなって申し訳ございません

2. 感謝を伝える「すみません」の言い換え表現

ありがとうございます / 感謝しています
【例】仕事を手伝ってもらい、すみません → 仕事を手伝ってもらい、ありがとうございます、など

3.依頼に使う「すみません」の言い換え表現

失礼いたします / 恐れ入ります(恐縮です)/ お手数をおかけいたします、など
【例】すみません。お時間をいただけますでしょうか → 失礼いたします。お時間をいただけますでしょうか

 

「すみません」は日頃からよく使われる言葉ですが、ビジネスシーンで使う際には注意が必要です。
基本的に、目上の方やお客様、取引先などには「すみません」は使いません。
口癖のように「すみません」を何度も言うようなことはしないようにしましょう。

いざという時に言葉選びに困らないために、言葉の意味合いや使い方を理解しボキャブラリーを増やし、場面に適した言葉を選び「すみません」以外の言葉をスマートに使い分けをしましょう。

Ai-Glies (アイグリース) とは

Ai-Glies (アイグリース) は、業務用エアコンなど空調の室外機をピンポイントで自動制御することにより、効率的に電気料金の〈基本料金〉と〈使用量料金〉の両方を削減する省エネ・節電システムです。

一般的なオフィスビルの電力消費量の約50%が、空調に関わる電力となります。空調に特化した節電・省エネシステム「Ai-Glies (アイグリース)」は、基本料金および使用量料金の削減に大きく貢献します。

使用電力量を削減することにより、発電時のCO₂削減につながり、SDGsへの取り組みへと繋がります。快適な室内環境を保ちつつ、CO₂削減とや電気料金 ( 基本料金・使用量料金 ) の削減を行います。Ai-Glies (アイグリース) は、季節・時刻・屋外状況など様々な要素に合わせて制御することで、快適な室内環境を実現しつつ、毎月の使用電力である使用量料金の削減を行います。

さらに、導入時の施工面においても従来の有線型に比べ、無線+ソーラー給電を採用しているため、施工費が抑えられ、低価格で導入できます。また、IoTを駆使した細かい空調制御を自動で行うことで、室内空間を快適に保ち、従来のデマンド監視装置からの更新にも適しています。

 

効率的に電気料金の〈基本料金〉と〈使用量料金〉の両方を削減する

Ai-Gliesを導入すると、業務用エアコンの室外機を季節・気候に合わせた 自動制御で使用量料金を削減し、最大デマンド値を抑えることで基本料金を削減できます。

■ デマンドコントロールで〈基本料金〉を削減
契約電力が高圧の場合、基本料金は当月を含む過去1年間の内、最も電力を使用したピークのわずか30分間の需要電力で決定します。
例:大型連休明けの営業日10:00~10:30の30分間に計測した最大デマンド値が、1年間の基本料金となります。

省エネ・節電システムAi-Glies (アイグリース) を導入すると、最も電力を使用したピークのわずか30分間の最大デマンド値をカットし、使用電力量を平滑化することで基本料金を削減します。高圧契約の中で契約電力500kW未満のお客様は、当月を含む過去1年間の最大デマンドが契約電力となりますので、最大デマンドの抑制が基本料金の低減につながります。

【 契約区分の違い 】
 ● 高圧:50kW 以上 ( 企業・中小工場など )
 ● 低圧:50kW 未満 ( 一般家庭・商店など )

■ 節電制御で使用量料金を削減しつつ、快適な室内環境を実現!
季節・気候(外気温度・湿度による不快指数)に合わせ1年中空調設備の出力調整をキメ細かく行い、快適な室内環境を実現するとともに、使用量料金を削減します。

【 季節ごとに自動で設定変更する制御例 】
 ● 外気がすごく寒い時とすごく暑い時は、制御を弱めて冷暖房をしっかりと動かします。
 ● 春・秋や夏の早朝、冬の昼過ぎ等の気候が良い時は、制御を強めて節電を強めます。
 ● 夏は室温が上がりやすい上層階の制御を弱め、冬は室温が下がりやすい下層階の制御を弱めます。


自動制御でキメ細かい制御を実現します。外気の不快指数の変化を監視し、室温が変化する前に8段階の中から最適な条件を判断し、エアコンの節電レベルを自動判別しコントロールします。そのため、使用量料金を削減しつつ、制御時の暑すぎる・寒すぎるなどがない、快適な室内環境を実現します。冷暖房と約3分間の送風を交互に行うことにより、電気使用量が削減され使用量料金の節約につながります。

 

Ai-Glies (アイグリース) の5つの導入効果・メリット

1:室外機制御でのエアコンの省エネによる電気料金やCO₂の削減

2:季節・気候に合わせたキメ細かい自動制御

3:より大きな削減効果が見込めるピークカット

4:クラウドで電気の見える化と故障検知

デマンドコントロールの状態は、専用クラウドサーバで管理され、ブラウザソフトで監視が可能です。
ブラウザ上で監視することにより、省エネ意識を共有できます。

【 Ai-Glies監視画面について 】
デマンド値、予測デマンド値、外気温から算出された不快指数が表示されます。
また、Ai-Gliesで制御した場合と、しなかった場合を比較したCO₂削減量、削減電気量が閲覧可能です。
デマンド目標に対する進捗状況監視や、節電状況、デマンド推移や実績監視もひと目で確認可能です。

5:ソーラー駆動無線ユニットで工事費を削減

機器間はLoRa無線を使用し、情報取集や制御を実施していますので、機器間の通信線の配線や工事を大幅に削減できます。また、屋外に設置する機器はソーラーパネルを搭載しているので、電源供給が不要となります。無線とソーラーボックスの採用により、工事費用の削減や工事期間の短納期を実現しています。

 

導入をオススメするお客さま

福島リコピーは「Ai-Glies (アイグリース)」をご提案いたします

「Ai-Glies (アイグリース)」 は、多くのお客さまに導入させていただき、電気料金やCO₂の削減に貢献しております。
電気料金の高騰による電気代高騰対策として、空調に特化した節電・省エネシステム「Ai-Glies (アイグリース)」を、ご提案させていただきます。

ご興味をお持ちの方は導入効果を、試算させていただきます。
弊社営業担当へお問い合わせいただけましたら幸いです。お気軽にお問い合わせくださいますようお願いいたします。

 

話題のプリンターとスキャナーをご紹介いたします。
それぞれの特徴について解説します。参考にしていただき、業務効率化にお役立ていただけましたら幸いです。

インクジェットの常識を覆す「ジェルジェットプリンター」

 

新カテゴリープリンターの「ジェルジェットプリンター」について、ご紹介いたします。

プリンターは、大きく分けてレーザープリンターかインクジェットプリンターがありますが「ジェルジェットプリンター」をご存じでしょうか。「ジェルジェットプリンター」は、レーザープリンター並みの印字速度が対応可能な、インクジェットプリンターです。文書の印刷に適していることや、薄紙・厚紙から特殊紙まで、さまざまな用紙に対応していることなど、ビジネスプリンターとして高性能を発揮し、業務効率化に貢献します。

【 RICOH製 ジェルジェットプリンター 一部特長 】

1: レーザープリンターよりも省スペース・省電力

レーザープリンターは熱と圧⼒を使ってトナーを定着させる⼀⽅で、ジェルジェットプリンターはインクを吹き付けることで印字しています。
そのため、以下の利点があります。

2:普通紙でにじみのない高画質

ジェルジェットプリンターは、⽤紙に付着した瞬間にゲル状になる〈GELJET ビスカスインク〉を使⽤。
普通紙に印刷してもこすれない⾼い定着性を実現しています。また⾼耐⽔性と⾊あせしにくい⾼耐光性も実現。
⻑期間保存される書類や屋外・店頭に貼るPOPなどにもご利用いただけます。

〈インク耐光性 50年・GELJET ビスカスインクとは?〉
粘度および浸透性が高い優れた定着性、さらに紙表面に留まる色材量をアップし、一層クッキリと美しい印刷品質を獲得。浸透性の向上で速乾性もアップし、印刷速度の高速化にも対応しています。なお、ビスカスインクの耐光性は50年。基幹業務で使っても紙の保存に特別な配慮は必要ありません。

3:⾼速印刷を実現するGELJETワイドヘッド

1.27インチのノズル列長を持ち、1ヘッドに384ノズルを配列。一度に印刷できる画像幅が広く、また高密度な印刷が可能。
さらに駆動周波数を向上し、解像度のアップと高速化を実現しました。

4:カラー・モノクロ29枚/分で、多部数の印刷も快適

連続印刷ももちろん速い。カラー・モノクロ同速29枚/分*の高速印刷で、お客様の業務をバックアップします。
* リコーオリジナルチャート「高速」モード印刷時(データ転送時間を除く)。

5:1枚ものもすぐ手に入る、高速ファーストプリント2.5秒

速乾性のGELJETビスカスインクの採用で、ファーストプリントは2.5秒*を実現。その速さをぜひ体感ください。
* リコーオリジナルチャート「高速」モード印刷時(データ転送時間を除く)。

6:多彩な給紙スタイルを実現

背面装着のマルチ手差しフィーダーは、用紙のストレート搬送が可能で、厚紙や封筒、ラベル紙からL版*や長尺用紙まで、多様な用紙に対応します。本体標準トレイ、マルチ手差しフィーダー、増設トレイに、異なるサイズ・種類の用紙を同時にセットし、最大5WAYの給紙スタイルを利用可能です。*L版=幅89mm×長さ127mm

7:紙詰まりやこすれなどの⽤紙搬送トラブルを抑⽌するGELJET BTシステム

用紙全面を静電吸着ベルトで支えて搬送する機構により、一般的なインクジェットプリンターのローラー方式に比べ、たわみのない高速・高精度の紙送りが可能。POPや封筒、薬袋・熨斗など薄紙・厚紙や特殊紙まで多様な⽤紙に対応し、紙詰まりやこすれなどのトラブルを抑⽌します。

8:GELJETならではの長寿命と3年無償保証

ビジネスで必要十分な30万ページ*もしくは5年の長寿命設計で、毎日のビジネスを支えます。また、無償保証期間は3年間で、安⼼してお使いいただけます。*動作環境が温度:18〜28℃、湿度40〜60%(⾮結露)の場合

「ジェルジェットプリンター」は、多彩な印刷機能と⽤紙対応⼒で、さまざまなニーズに対応可能です。
妥協のないビジネスクオリティーを実現し、業務の幅を広げます。

「プリンター&スキャナーお買い得市場」を開催中!

福島リコピーでは、2023年8月1日~9月30日まで「プリンター&スキャナーお買い得市場」を開催中です。

「ジェルジェットプリンター」についてご質問などございましたら、弊社営業担当へお問い合わせいただけましたら幸いです。
お気軽にお問い合わせくださいますようお願いいたします。

いつでもどこでも快適に使える「モバイルスキャナー」

書類や名刺、レシートや領収書、写真など、場所を選ばず原稿を電子化できる「モバイルスキャナー」について、ご紹介いたします。

【RICOH製 モバイルスキャナー 一部特長】
身の周りの書類や名刺、レシートや領収書、写真などを、手元のスマートフォンやタブレットでスピーディーに電子化でき、クラウドサービスなどでスマート活用が可能です。

1:持ち運びやすいコンパクトボディー

高性能バッテリーを搭載することにより、わずか400gの軽量コンパクトボディーを実現。500ml入りのペットボトル1本の重量(約500g強)より軽いです。パソコンはもちろんスマートフォン・タブレットに、コードレスで接続でき、ケーブル接続による給電の必要がなく、外出先やオフィスなど様々な場所に持ち運んですぐに使えます。

2:高速 読み取り

A4カラー片面原稿を5.2秒で高速に読み取ります。
連続で読み取れば自動的にまとめてPDF化、すぐに閲覧・共有できます。

3:Wi-Fi接続でどこでも快適

周囲のWi-Fi環境に応じて接続方法・接続先を自動的に切り替えるため、iX100をいつでもご利用いただけるようになります。

4:クラウドサービスへ直接保存

「ScanSnap Cloud」との連携で「文書」「名刺」「レシート」「写真」の4つの種別に自動的に判別し、お客様がご利用するクラウドサービスに振り分けて保存します。原稿の読み取りから、閲覧、編集管理、検索やアプリケーションへの連携、学習機能によりデータの生成や管理をアシストします。

5:A3の2つ折り原稿を自動合成

図表やイラストなど折って左右にまたがった原稿*は、読み取り後自動的に合成されますので、大きいサイズの原稿も手間なく読み取りできます。* 見開きの状態でA3サイズ、B4サイズ、または11×17インチの原稿

6:2枚同時読み取り「デュアルスキャン」

小さな紙は2枚並べて*同時に読み取りできます。紙のサイズは自動認識されるので、給紙スペースに次々と紙を差し込むだけで、読み取り時間を大幅に短縮できます。* 原稿間の距離が1cm以上空く必要があります。

7:プラスチックカード*もスキャン可能

会員カードなどで使われるプラスチックカード※の読み取りにも対応しました。
* ISO7810 ID-1タイプ準拠 (エンボス付きカード含む)

「モバイルスキャナー」は、Wi-Fiとバッテリーを搭載しながらも、軽量コンパクトボディーを実現し、コンピューターやスマートデバイスで快適にご利用いただけます。手軽に情報の保管や共有を可能し、ビジネスをもっとスマートにする便利なスキャナです。

「プリンター&スキャナーお買い得市場」を開催中!

福島リコピーでは、2023年8月1日~9月30日まで「プリンター&スキャナーお買い得市場」を開催中です。

「モバイルスキャナー」についてご質問などございましたら、弊社営業担当へお問い合わせいただけましたら幸いです。
お気軽にお問い合わせくださいますようお願いいたします。

 

「させていただく」は誤用が多い表現として、文化庁が発表している『敬語の指針』で紹介されているほど、使い方が複雑な敬語です。日常会話やメールのやり取りで使ったり、見聞きすることが多く、丁寧でへりくだった印象を受けますが使い方に注意が必要です。間違った表現で使われている方も少なくないため「させていただきます」という言葉が間違った敬語だというイメージを持っている方もいます。「させていただく」の言葉の意味と正しい使い方、言い換え等を解説します。

 

「させていただく」とは?言葉の意味

「させていただく」は「させてもらう」の謙譲表現になります。1.動詞「する」+2.接続助詞「て」+3.「もらう」の謙譲表現である補助動詞「いただく」で、構成されています。謙譲表現は、自分の言動をへりくだって言うことで相手を立てる表現ですが、へりくだる理由だけで「させていただく」を使うと間違いになります。

文化庁が発表している『敬語の指針』にて、「させていただく」は以下2つの条件を満たす場合に、使用するのが正しいとしています。
敬語の指針 https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/keigo_tosin.pdf

 1. 相手側又は第三者の許可を受けての行動
 2. そのことで恩恵を受けるという事実や気持ちのある場合

片方の条件が満たされてない場合に「させていただく」を使うのは誤用となります。
自分の行為について「許可」と「恩恵」の両方を受けるときのみ「させていただく」を使うことができます。

 

「させていただく」の間違った使い方

「させていただく」は「相手側又は第三者の許可」と「恩恵を受ける」という2つの条件がそろったときにのみ使用することができますが、無意識に間違って使っていることは意外と多くあります。一例をご紹介します。

誤: お見積りの件でご連絡させていただきました××社の○○(苗字)です
相手に連絡することを了解(許可)をもらっていない場合、人によっては少々強引な印象を受けるかもしれません。
「お見積りの件でご連絡いたしました、××社の○○(苗字)です」が適切な表現です。

誤: 司会を務めさせていただきます、○○(苗字)です
司会することを「相手側又は第三者の許可」は必要ないので「務めさせていただく」は間違いになります。「司会を務めます、○○(苗字)です」が正しい表現です。

誤: ○○(苗字)は、本日は休ませていただいております。
社員の休みは、社外の人の許可を得るものではないため間違いになります。「○○(苗字)は、休んでおります」が正しい表現です。

 

「させていただく」の言い換え

「させていただく」の言い換えには、「する」「いたします」などの言葉があります。
判断に困ったときは「する」「いたします」などの言葉に言い換えて、簡潔にしましょう。

担当者に確認させていただきます → 担当者に確認します(確認いたします)
会場を案内させていただきます  → 会場を案内します(案内いたします)
説明させていただきます  → 説明します(説明いたします)

 

「させていただく」の落とし穴

使う条件を満たしていても、さらに注意が必要なポイントがまだあります。
ここが使い方が複雑と言われるポイントです。

1. 漢字表記「させて頂く」は間違い

漢字の「頂く」と、ひらがなの「いただく」は、言葉の意味が違います。ひらがなの「いただく」は、先述のとおり補助動詞です。漢字の「頂く」は動詞です。それぞれ言葉の意味が異なります。耳で聞く場合は同じ言葉に聞こえますが、文字にすると漢字とひらがなは使い分けが必要です。

漢字の「頂く」は「もらう」の謙譲語です。名刺を頂く・飲み物を頂くなど、なにかを(ものを)頂戴した(もらう)場合に使います。
そのため「させて頂きます」と漢字で書いてしまうと、なにも頂戴していない状態なので「頂く」と表記するのは間違いとなります。

丁寧な表現を意識して「させて頂きます」と使いがちですが、この使い方は誤りですので注意しましょう。

 

2. 「させていただく」を使い過ぎない

会話の中や、メールなど文章で「させていただきます」を乱用したり、ひとつの文の中で「させていただく」を重複すると長くなり読みづらく、聞き取りづらくなります。
丁寧にしているつもりで使い過ぎると、過剰なへりくだりにも聞こえて、かえって謙虚さがなくなってしまいます。すっきりとまとまった表現を心がけることが重要です。

誤:詳細をご確認させていただき、お電話させていただきます
正:詳細を確認し、お電話させていただきます

また「させていただく」は、人それぞれ許容範囲が異なります。使い方しだいで回りくどい、押しつけがましい、一方的で不快等、悪い印象を与えてしまうことがあります。使い方を意識することが重要です。

 

3.二重敬語に注意する

二重敬語とは、ひとつの文の中で敬語を重複して使用する誤った表現です。 「させていただく」が謙譲語であるため、他の謙譲語とともに使用できません。

間違って使いやすい二重敬語のひとつ「拝見させていただきます」は「拝見」が「見る」の謙譲語です。「拝見します」が正しい敬語です。
また「拝見いたします」という言葉の「いたす」は「する」の謙譲語になるため、こちらも二重敬語です。

訪問するときに「伺わせていただきます」と使う場合も「伺う」が「行く」の謙譲語ですので、二重敬語になります。「伺います」が正しい敬語です。
丁寧にしようとすると、敬語に敬語を重ね二重敬語になってしまうことがありますので、気を付けましょう。

 

4.「さ入れ言葉」で誤用になる場合がある

「させていただく」はさまざまな言葉と合わせて使いやすい言葉ですが「させて」の「さ」が必要ない「○○○せていただきます」という言葉もあります。
「○○○せていただきます」に、誤って「さ」を入れてしまい「〇〇〇させていただきます」とした言葉を「さ入れ言葉」といいます。

「さ入れ言葉」は間違った表現です。丁寧に表現したいという思いから「さ入れ言葉」は使わないようにしましょう。

【 さ入れ言葉 一例 】
■A 誤:読まさせていただきます → 正:読ませていただきます
■B 誤:休まさせていただきます → 正:休ませていただきます
■C 誤:乗らさせていただきます → 正:乗らせていただきます

「さ入れ言葉」の見分け方は「読む・行く・休む」などの動詞に、助動詞「ない」をつけて「ない」の前の語の母音がアになるものは「さ」を入れず「○○○せていただきます」とします。

– 読む → 「読まない ( 読まァ_ない ) 」 → 「ない」の前の語「ま」の母音がアになります。
– 休む → 「休まない ( 休まァ_ない ) 」 → 「ない」の前の語「ま」の母音がアになります。
– 乗る → 「乗らない ( 乗らァ_ない ) 」 → 「ない」の前の語「ら」の母音がアになります。

【 さ入れ言葉 例外 】
「見させていただく」「見せていただく」についてご説明します。それぞれ違う意味の言葉で使う場面が異なります。
どちらが間違っていて、どちらが正しいということではなく、それぞれ場面に合わせた使い方になります。

 見させていただく: 自動詞「見る」+ 助動詞「させる」+ 謙譲語「いただく」
 見せていただく:  他動詞「見せる」+ 謙譲語「いただく」
自動詞「見る」は(自分)がする動作を示す動詞のことで、他動詞「見せる」は、誰かが作用して起こる動作を示す動詞のことです。
「見させていただきます」は、目上の方から何か見せてくれるときに、目上の方に対して「見させていただきます」と使います。
「見せていただきます」は、自分から見せてほしいとお願いをして、見せてもらうときに、目上の方に対して「見せていただきます」と使います。

また「見させていただく」は「さ入れ言葉」で誤用だといわれることもありますが、誤用ではありません。「見させていただく」から「さ」を抜いて「見せていただく」にすると、意味合いが異なる言葉になりますので、間違わないようにしましょう。


「させていただく」は丁寧な表現として使いやすいですが、間違った使い方もしやすいため注意が必要な言葉です。「相手側又は第三者の許可」と「恩恵を受ける」という2つの条件がそろったときにのみ使用することができますが、個人の許容範囲の違いもあり、相手の許可が必要ない場面や自分が一方的に行うことにも使われるようになり「させていただく」の使用域が広くなっていることもあります。「させていただく」の本当の使い方を理解して使い方を注意したり乱用しないようにしましょう。