AI活用の現状とこれから

現在、多くの企業が業務効率化と顧客体験向上を目的として、様々なAIソリューションを導入しています。特に活用が進んでいる5つの分野と具体的な用途と生成AIとエージェントAIの決定的な違いと活用シーンをご紹介します。
企業で「今」主要に活用されているAI事例 5選
1. 生成AI(LLM)
- 具体的な用途
業務文書(稟議書、議事録など)の作成支援、社内問い合わせ対応 - 導入事例(証拠となるデータ)
金融機関での活用が進んでおり、融資稟議の作成時間を95%削減した事例(宮崎銀行と日本IBM)や、リモート顧客応対で通話時間を2割減した事例(みずほ銀行)が報告されています。(出典:NTTドコモビジネス、Ai Workforce)
2. 画像認識AI
- 具体的な用途
建設現場の施工状況の判定、工場での製品検査、作業員の安全確保 - 導入事例(証拠となるデータ)
清水建設では画像認識AIが検査作業を10分の1に短縮しました。また、JFEスチールでは製鉄所の作業員を検知し安全を確保しています。(出典:メタバース総研)
3. 予測分析AI
- 具体的な用途
クレジットカードの不正利用検知、信用リスク評価、保険料の最適化 - 導入事例(証拠となるデータ)
過去の取引データから異常パターンを学習し、人間では見逃しがちな不正取引をリアルタイムで検知・停止します。金融・保険分野において最も歴史が長く、リスク管理の基盤となっています。(出典:メタバース総研)
4. 自然言語処理(NLP)
- 具体的な用途
顧客向けチャットボット、オペレーター補助(通話要約・分析) - 導入事例(証拠となるデータ)
三菱UFJ信託銀行では、生成AIを活用した社内問い合わせ対応で正答率9割を達成し、業務効率化に貢献しています。(出典:Ai Workforce)
5. プロセス自動化AI
- 具体的な用途
配送伝票のデータ入力、経理処理、在庫管理の自動化 - 導入事例(証拠となるデータ)
佐川急便では、AIを活用した配送伝票の入力自動化により、月間で8,400時間の作業工数削減を実現しました。(出典:メタバース総研)
□ Ai Workforce – 2024年の生成AI活用事例の総まとめ110選: https://getaiworkforce.com/newsletter/newsletter_241227
□ メタバース総研 – 【2024年最新】AIのビジネスへの活用事例25選を業界別に紹介: https://metaversesouken.com/ai/ai/usecases/
□ NTTドコモビジネス – 【業界別】企業の生成AI活用事例13選と成果を徹底解説: https://www.ntt.com/bizon/generation-ai-industry-case.html
生成AIとエージェントAIの決定的な違い・活用シーンの明確化
AIの進化は目覚ましく、単にコンテンツを生成するだけでなく、自律的に行動するエージェントAIが注目を集めています。
役割
- 生成AI(Generative AI): コンテンツの創造・生成(作家・補助ツール)
- エージェントAI(Agentic AI): 目標達成のための自律的な行動・実行(プロジェクトマネージャー)
自律性
- 生成AI(Generative AI): 低い(反応的)人間のプロンプト(指示)に「反応」して応答を生成する。
- エージェントAI(Agentic AI): 高い(主体的)一度目的を与えられると、自律的にタスクを「行動」し続ける。
活用シーン
- 生成AI(Generative AI): 文章のドラフト作成、画像の生成、コードの提案、データ分析の要約など単発のタスク。
- エージェントAI(Agentic AI): 複雑な業務フローの実行、システム連携、自動的な顧客フォローアップ、複数ステップにわたる業務全体の実行。
関係性
- 生成AI(Generative AI): エージェントAIが、タスク実行時にツールとして生成AIを利用することが多い。
- エージェントAI(Agentic AI): -
□ Microsoft News Center Japan – 2025 年に注目すべき 6 つの AI トレンド: https://news.microsoft.com/ja-jp/features/241206-6-ai-trends-youll-see-more-of-in-2025/
□ ガートナージャパン – 【2025年最新版】先進テクノロジのトレンドと今後の展望を一覧で解説: https://www.gartner.co.jp/ja/articles/top-technology-trends-2025
□ 侍エンジニア – 生成AIの今後のトレンド予想5選!最近のAIの活用事例も解説: https://generative-ai.sejuku.net/blog/4756/
活用方法の具体的な違い
生成AIは、テキストや画像など特定の分野で「新しい情報」を創出することに特化しています(出典:FastSeries、Salesforce)。例えば、マーケティングチームがキャッチコピーを大量に生成する場合に使われます。一方、エージェントAIは、与えられた目標達成のために必要な一連のタスクを自律的に計画・実行します。
生成AIの単発活用例: 「この新製品の広告コピーを5案考えてください。」
エージェントAIの実行例:「新製品のローンチキャンペーンを完了させて。」
実行内容: ターゲット顧客リストの抽出 → 広告文のドラフト作成(ここで生成AIを使用) → 広告プラットフォームへの出稿設定 → パフォーマンスの監視 → 報告書の作成と送信。
エージェントAIは「考えて動く」レイヤーに昇格しており、複雑な業務プロセスの自動化を可能にします。(出典:経営デジタル)
これから必須となるAIトレンドと具体的な戦略
これまでのAIが「作業の代替」だったとすれば、これから主流となるAIは「業務の自動実行」と「知識の統合」を担います。
必須となる3つのAIトレンド
AIエージェントの台頭と普及
最も注目すべきは、第2部で解説したエージェントAIです。Microsoftは、2025年の主要トレンドとして「エージェントが仕事のあり方を変える」ことを挙げており、AIアシスタントが日常生活や業務でさらに活躍すると予想されています。(出典:Microsoft News Center Japan)
企業が生き残るためには、人間に代わって一連の業務を自律的に遂行するエージェントの設計と導入が不可欠となります。
マルチモーダルAIの進化
テキストだけでなく、画像、音声、動画といった多様なデータ形式を一度に処理し、より深い理解と自然な対話・作業を可能にするAIがさらに進化します。これにより、複雑な現場の状況把握や、より人間らしいコミュニケーションがAIによって実現します。(出典:侍エンジニア)
AIガバナンス・プラットフォームの構築
AIの高度化に伴い、倫理、プライバシー、公平性、そして情報セキュリティのリスクが増大しています。信頼できるAI活用を実現するため、AIがもたらすリスクを定義・評価し、責任ある利用を担保するガバナンス基盤(プラットフォーム)の整備が急務となります。(出典:ガートナージャパン)
今後の戦略として、AIを「協働者」として迎え入れることです。今、企業に求められているのは、単に新しいAIを導入することではなく、AIと人間が「協働」する新たな働き方へとシフトすることです。エージェントAIがルーティン業務や複雑なプロセスを自動化する一方で、人間はAIの出力を評価・検証し、より創造的かつ戦略的な業務に集中することが求められます。(出典:侍エンジニア)
AIを活用したいという気持ちがあるが何をどうして良いのかわからない、いろいろなAIがあるけどどういう場面で使えるかも不安だ。
AIについては、お気軽に福島リコピーにご相談ください。
