いまさら聞けない「カーボンニュートラル」とは?

ニュースや新聞・雑誌などで「カーボンニュートラル」の話題や記事を見聞きする機会がありますが、知っているようで知らないという方も少なくないと思います。今回は「カーボンニュートラル」のことを分かりやすく解説します。

 

「カーボンニュートラル」ってなに?

カーボンニュートラル( carbon neutral )の言葉を直訳すると「炭素中立」となります。炭素を中立の状態にし、地球温暖化の要因である「温室効果ガス」の排出量を「実質ゼロ」にすることです。

「温室効果ガス」とは、「地球温暖化対策の推進に関する法律」の中で定められている7種類のガスのことで、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素などがあります。中でも排出量が圧倒的に多いのが二酸化炭素で、炭素を燃やすと排出されます。他の6種の排出量は二酸化炭素排出量として換算されることから、温室効果ガスの排出量は二酸化炭素排出量として算出することが一般的です。

地球温暖化対策の推進に関する法律 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=410AC0000000117

「実質ゼロ」とは、経済活動や日常生活の中で「温室効果ガス」を全く排出せず、完全にゼロにすることは現時点では不可能なため、排出せざるを得なかった排出量については、同じ量を吸収または除去をすることで、全体としてプラスマイナスでゼロ、差し引きゼロ、正味ゼロ(ネットゼロ)にするという考え方です。これが、「カーボンニュートラル」のニュートラル(中立)を意味するところです。

 

カーボンニュートラルの実現を目指すようになった背景

温室効果ガスの排出が増えていくと、世界の平均気温が上昇していくことが予想されています。世界平均気温は、工業化前の1850年~1900年の平均気温に比べると、2020年時点で約1.1℃も上昇しています。この温度上昇が、世界的にカーボンニュートラルを目指す要因となりました。この勢いで進むと、2100年には最大約6℃も上昇してしまう計算になるといわれており、大きな気象災害・気候変動・自然生態系の変化など自然災害のリスクが高まることも懸念されています。温暖化による海面上昇で沈む国もあるとも危惧されています。

さらに経済活動の鈍化・人間の健康状態悪化などに深刻な影響を及ぼすものとなり、世界的に温室効果ガスの減少への取り組みが必要で、120以上の国や地域が「2050年カーボンニュートラル」を目標に掲げています。

日本でも2020年10月26日、菅元総理は所信表明演説において「カーボンニュートラル」を2050年までに目指すことを宣言しました。

我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします。
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2020/1026shoshinhyomei.html

 

「脱炭素」はカーボンニュートラルと同じ意味として使用されることが多いですが、区別して使われる場合に脱炭素は二酸化炭素の排出量をゼロにしようという取り組みのことをいいます。また、二酸化炭素排出が実質ゼロになった社会のことを「脱炭素社会」といいます。

2020年の世界の二酸化炭素排出量は、約314億トンでした。国別で排出量の多い順に中国、アメリカ、インド、ロシアと続いて日本は5番目に排出量が多い国となっています。日本における2050年カーボンニュートラルの実現、また、2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指し、さらに、50%の高みに向け挑戦し続けるために、国が検討していること、具体的な取組などは環境省の「脱炭素ポータル サイト」にて確認できます。

全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA) https://www.jccca.org/download/66920
環境省 「脱炭素ポータル」国の取組 https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/road-to-carbon-neutral/

 

リコー複合機のCO2排出量削減の取り組み

〈 CFP(カーボンフットプリント)の低減 〉

省エネ性能や再生プラスチック使用率の向上などにより、大幅なCO2排出量の削減を実現しています。原材料調達、生産、輸送、使用・維持管理、廃棄・リサイクルの商品ライフサイクル全体の環境負荷(カーボンフットプリント)を従来機より約27%削減しました。
* CFPは、上記ライフサイクルの全体(原材料調達から廃棄・リサイクルまで)で排出された温室効果ガスの量を、CO2量に換算した値です。
※上記数値はRICOH IM C6010およびRICOH IM C6000(従来機)本体で算定したものです。給紙テーブルは含まれません。

– CFP(カーボンフットプリント)って、なに?
製品の原材料調達から廃棄・リサイクルまでの、ライフサイクル全体を通して、排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算して分かりやすく表示した数値です。環境負荷を定量的に算定するため、CFPが分かると、例えば新しい複合機が前身機と比べてどのくらいCO2排出量を削減できるかが具体的に分かります。
※ 算定ルールが異なりますので、他カテゴリーの製品同士を比較することはできません。また複合機同士であっても、リコーと他社とでは算定ルールが異なりますので、製品のCFPを比較することはできません。リコー製品同士のみ比較することが可能です。

● 製品CFP開示情報

〈 RICOH カーボンオフセットサービス 〉

「RICOH カーボンオフセットサービス(有償)」は、リコー複合機がライフサイクルで排出してしまうCO2量を、他の方法で削減したCO2量で埋め合わせて、実質的にゼロと見なせる状態にするサービスです。「J-クレジット」制度を通じて取得した排出権を活用し、CO2排出量を埋め合わせます。本サービスを申し込むと、リコージャパンよりカーボンオフセット証明書を発行します。お客様の脱炭素貢献につながります。

J-クレジット制度のWebサイト https://japancredit.go.jp/