心とお腹を満たす秋。小さな工夫で整える私たちの食習慣

9月も終わりに近づき、朝晩の爽やかな風に少しずつ秋の深まりが感じられる季節となってきましたね。いよいよ「食欲の秋」がやってきました。梨やぶどう、栗に新米、おいしいものが溢れるこの季節は心を満たしてくれます。

おいしい旬の味覚を楽しみつつも、その反面で「つい食べすぎてしまう / 午後の眠気が強い / 最近、体が重く感じる…」といったお悩みを抱える方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、秋の味覚を楽しみながら、日々の体調や仕事のパフォーマンスを心地よく整えるヒントをご紹介します。

 

食べすぎてしまうのは気のせい?秋になると食欲が増す体の仕組み

朝晩の涼しさを感じるようになると、「最近なんだか食欲が止まらないな」と感じることはありませんか。実は、それは気のせいではなく、私たちの体が持つ自然なメカニズムが大きく関係しています。季節が変わるにつれて、体の中にも変化が起きるため、知らず知らずのうちに食べる量が増えやすくなります。

● セロトニンの減少
日照時間が短くなると、脳内の「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニン(気分を安定させ、食欲をコントロールする働きがある)が減少しやすくなります。体はこれを補おうとして、手軽に満足感を得られる甘いものや炭水化物を欲しやすくなります。

● 冬への備え
気温が下がると、体温を保とうとして体が必要とするエネルギーが増加しやすくなります。その結果、寒さに備えようとする体の自然な働きによって、自然と食欲が湧いてきます。

こうした体の変化に加えて、普段の食事のバランスにも少しだけ目を向けておくことが大切です。厚生労働省の調査(令和5年 国民健康・栄養調査)では、日本人の野菜摂取量は平均約256g(目標は350g)と不足気味であり、働き盛り世代では脂質の摂取比率が増える傾向がみられます。その結果「美味しいから」と食べてしまうと、血糖値(食事をした後に血液中の糖分が増えること)が急に上がり、強い眠気や集中力の低下につながり、日々のパフォーマンスに影響してしまうことがあります。

 

無理な制限なしで満足感を得られる、賢い食べ方の工夫

せっかくの旬の味覚を我慢だけで終わらせるのはもったいないです。毎日の食事を、もっとおいしく楽しくするためのポイントは、ちょっとした食べ方の工夫を取り入れることです。食事のとり方を少し変えるだけで、体に優しい食習慣を無理なく続けることができます。

 1. 温かい汁物から、先にとってみよう
   食事のはじめに、温かいお味噌汁やスープを飲んでみましょう。
   温かい水分を最初のお腹に入れることで、胃の働きが穏やかに刺激され、自然と食べ過ぎを防ぐことができます。
   少しずつ涼しくなる季節に、体の内側から温める効果もあります。

 2. 食物繊維が豊富な「秋の食材」を取り入れてみよう
   きのこ・根菜類といった食物繊維が豊富な食材を「副菜」として取り入れてみましょう。
   噛みごたえのある食材を意識して選ぶことで、満腹感が得られ、自然と食べ過ぎを防ぐことができます。
   毎日のメニューに少し変化を加えるだけで、楽しく食事のコントロールができるようになります。

 3. 一口ごとに、よく噛んで味わってみよう
   食事のときは、いつもより多めに噛むことを意識してみましょう。
   ひと口 30回 噛むことを目安に、ゆっくり味わうことで、適度な量で満足できるようになります。
   午後の眠気やだるさの軽減にもつながります。

コンビニやデスクワークでも実践できる、手軽な食の改善策

日々の忙しい生活のなかでも、身近なところで少しだけ選び方を変えてみることで体に優しい食事に近づけることができます。
職場やご家庭で今日から実践できるアクションをご紹介します。


心地よい習慣づくりの第一歩!秋の食生活セルフチェック

毎日の生活の中で、自分の食習慣に少しだけ目を向けてみることは、無理なく心地よい状態を続けるための第一歩になります。
今の習慣に気づくための5つの項目を、1週間試してみませんか。

 □ 汁物からスタート: 最初のひと口は温かいお味噌汁やスープから
 □ 黄金の15分: 食べ始めから「ごちそうさま」まで15分以上かける
 □ モグモグ30回: いつもより多めに噛んで、飲み込む前に形がなくなるまで味わってみる
 □ 秋の三種の神器: きのこや、ごぼう・れんこんなどの根菜を1日1回は取り入れる
 □ 賢い間食: お菓子の代わりにナッツ or 高カカオチョコを選んでみる

【 結果の目安 】
  • 0〜1個: 伸びしろ十分!まずは最初の一口を意識することから始めてみましょう。
  • 2〜3個: 自分のペースで無理なく取り組えている状態です。もう1項目増やして習慣の安定化を。
  • 4〜5個: 日頃からバランスを意識した素敵な習慣ができています。ぜひ周りの同僚にもそのコツをシェアしてください。


秋は、豊かな食を通じて自分の体を労わる絶好のチャンスです。美味しいものを笑顔で味わうことが、明日への活力につながります。

限られた時間のなかで、完璧な食事を毎食つくることは簡単なことではありません。「これをしなくてはならない」と自分を縛るのではなく、温かいスープをひと口目にする、間食の選び方を少し変えてみるといった、小さな選択の積み重ねが、心と体を心地よく整えてくれます。

個人の健やかさが、チーム全体の明るい空気感をつくっていきます。ご自身のペースに合わせて気軽に取り入れながら、皆さまが心もお腹も満たされる素敵な秋を過ごせますように。