「宜しくお願い致します」という書き方は正しい?

何かを依頼する際に「よろしくお願いいたします」という言葉を使うことがあり、メールなど文章で、丁寧にする意味合いで「よろしく」と「いたします」を漢字にして「宜しくお願い致します」と表記されているものを見かけることがあります。

 

ひらがなと漢字の表記の違いについて、お話させていただきます。
どちらが正しいのか?どんな違いがあるのか?

 

結論から申し上げますと「よろしく」と「いたします」は【ひらがなで表記する、漢字にしない】が、正しい表記となります。

 

正: よろしくお願いいたします
誤: 宜しくお願い致します

 

「よろしく」と「いたします」について、それぞれ簡単に解説させていただきます。

 

「よろしく」は、漢字変換すると「宜しく」と変換されます。しかし常用漢字表での「宜」の読み方は「ギ」のみで「ヨロ」という読み方はしません。ひらがなと漢字の使い分け方を定めた「公用文における漢字使用等について」では「よろしく」が正しい表記であるとしています。「宜しく」という書き方は当て字として慣習として使われたもので、公用文やビジネスシーンでの使用は正しいものではないということになります。

 

「いたします」は、漢字変換すると「致します」と変換されますが、ひらがなの「いたします」と、漢字の「致します」は、言葉の意味が違います。ひらがなの「いたします」は「お願いする」という動詞の補助動詞になります。補助動詞は、原則としてひらがなで表すことが公的なルールで定められています。漢字の「致します」は動詞となり、言葉の意味は「ある状態に至らせる」などとなるため「お願い致します」という表記は適切ではありません。

 

文章を書く時の基本的なルールや、言葉の意味など改めてしっかりと理解し、正しく使うよう心がけたいです。